Webメーラの「ilohamail」をインストールしてみる

おひさしぶりです。約一ヶ月ぶりのブログ更新です。Twitterを始めてからというもの、細かい内容のTwitter投稿で満足してしまって、更新コストの高いブログ投稿は疎かになりがちになってしまいます。

概要

今回はWebメーラを使ってみようという事でネタが出来たのでブログ記事にしてみようと思いました。WebメールというとGmailやYahooメールみたいにブラウザ上でアカウントを作って、メール受信、作成、送信できるようなものを想像しますが、今回使うWebメーラはPOP3IMAPという旧来のメーラ用のプロトコルを扱える、ブラウザから管理できるWebベースのメーラをLinuxサービスとして立ち上げるというものです。これを自宅サーバに設定しておけば各PCにThunderbirdのようなメーラをインストールしなくてもブラウザでアクセスすれば済むので、PCが多い人や外出先からメールを確認する事が多い人には便利かもしれません。今回はWebメーラとして最近有名&設定が簡単なilohamailを設定する手順を紹介します。

実験環境と動作要件

  • 実験環境
    • OS:Debian/Linux(lenny)
    • CPU:ARM1.2GHz(いつものLS-XHLのマシン)
    • MEM:256MB
  • 動作要件
    • Apache2
    • PHP4以上(PHP5でも動きます)
    • OpenSSL(httpsで暗号化するなら必要)

インストール

debian-lennyにはilohamailのパッケージが管理されてるので、基本的にapt-getで入れることができます。

$ sudo apt-get install ilohamail

インストールすると「どんな設定にする?」と訊かれるので、とりあえず「apache2」の設定(あとで設定を見直します)にしました。そうすると自動的にilohamailの設定ファイル

/etc/apache2/conf.d/ilohamail

/etc/IlohaMail/apache.conf

シンボリックリンクで作成されます。/etc/apache2/conf.d/にあるのでこれだけで動作しそうです。

Apache2を再起動

$ sudo /etc/init.d/apache2 restart

試しにアクセスしてみる

標準構成だと
IlohaMail/
エイリアスが張られてるので
http://debian-server/IlohaMail/
にアクセスすればilohamailにアクセスできます。

ここまでやれば↑みたいなが表示されるはずです。

SSL化のための修正

いまの状態でも一応使えますが、この状況だとブラウザ−Webメーラ間の通信が暗号化されていないのでパスワードなどが平文で流れ(流れますよね?)危険です。とりあえず標準の設定からSSLで通信を暗号化するようにApache2の設定を修正してみます。

※今回はSSLの公開鍵/証明書は作成済みとして話を進めます。SSLの公開鍵/証明書がまだの人はこのページを参考にして作成してください。

私のサーバ環境ですと既にSSL(httpsWebDAV用)のVirtualHostの設定があるため(関連:WebDAV+SSL+Basic認証の導入)、その内部からInclude出来るようなファイルに修正します。

  • 標準のilohamailの設定をバックアップ
sudo cp /etc/IlohaMail/apache.conf /etc/IlohaMail/apache.conf.org
sudo rm /etc/apache2/conf.d/ilohamail
sudo vi /etc/IlohaMail/apache.conf
  • 元々の/etc/IlohaMail/apache.confの中身
Alias /IlohaMail /usr/share/IlohaMail/source


Options +FollowSymLinks
DirectoryIndex index.php
AllowOverride None
order allow,deny
allow from all

  • 修正後の中身
Alias /IlohaMail /usr/share/IlohaMail/source


Options +FollowSymLinks
DirectoryIndex index.php
AllowOverride None
order allow,deny
allow from all

  • 今あるのApache2(SSLサイト)の設定ファイル(sites-enabled/ssl)から読むように追記
      # 最後のLocation

    # さっき編集したファイルをIncludeさせる
    Include /etc/IlohaMail/apache.conf

  # httpsのVirtualHost

これでSSL化完了です。Apache2を再起動してみると
https://debian-server/IlohaMail/
のアドレスでアクセス可能になります

試しにログインしてみる

試しにこのメーラを使ってiPhonesoftbankスマートフォン向けのIMAPのメールアカウント(xxxx@i.softbank.jp)にアクセスしてみましょう。ilohamailのフォーム画面に↓のように値を入力して「Log in」ボタンを押してみましょう。

  • user id:xxxx
  • password:yyyy
  • server:imap.softbank.jp
  • type:IMAP
  • language:日本語

するとGmailみたいなWebページベースのメーラが表示され、今迄受信したり送信したりしたメールの内容が表示されます。

常用に耐えれるのか?

今回は受信メールの表示くらいしかやりませんでしたけど、緊急時に使えそうなのでサービス自体は残しておこうと思います。まあ常用する前に、

  • IMAP/SMPTはSSLで繋がってるのか?
  • SMTPを使って送信できるのか
  • セキュリティとか大丈夫か
    • (ブラウザ-ilohamail間じゃなく、ilohamail-メールサーバ間の方)

の点くらいは調べてみて、本当に問題なさそうという事を確認するくらいは必要かと思います。

感想(本当にやりたかった事)

本当は、

  • WebメーラにアクセスしWebメーラ用のアカウントを作成する
  • 各メールアカウントの設定(IMAP/POP3/SMTP)を行う
    • (マルチアカウントの登録設定)
  • 各メールアカウントの操作を1つのWebメーラの画面で行う

という事がやりたかったんですがilohamailはそういうの出来ないんでしょうか?もしそういう事を出来るWebメーラをご存知の方がいましたら教えていただけると助かります。